Naoko Aoki

青木菜穂子

Jacaranda en Flor

ハーモニカのジョー・パワーズと、ピアノの青木菜穂子。タンゴやモダン・フォルクローレといったアルゼンチン音楽を中心に演奏してきた両者のデュオ演奏集。

アメリカ出身のジョー・パワーズは、タンゴハーモニカ奏者であるウーゴ・ディアスに強く影響を 受け、実際にアルゼンチンに渡って本格的にハーモニカを習得した経歴を持つ。ハーモニカ音楽であれば何でも演奏してしまうほどのテクニ シャンだが、ここ数年は特にアルゼンチン音楽に情熱を注いでいる。 一方の青木菜穂子は、ブエノスアイレス市の市立タンゴ楽団に参加など、日本人タンゴ奏者という枠を大きく超えて、本場で活躍してきたピアニスト。ソロ活動のほか、タンゴ楽団「オルケスタ・アウロラ」のバンドマスターとしても活動している。近年はタンゴに留まる事なく、フォルクローレ方面の音楽も吸収し、モダン化されたサウンドを響かせている。

このデュオの活動は2008年に始まり、アルゼンチン音楽の他に、ジャズやクラシックなどの様々な要素を取り入れ、このデュオならではの音楽を作り上げてきた。これまでアメリカ、カナダ、ヨー ロッパ、日本など、世界各地で演奏をしてきたデュオが、初共演から6年をかけて熟成させてきた音楽の、満を持しての録音。

日本を代表するタンゴ・ピアニストの一人として知られる青木は、アルゼンチン・フォルクローレを現地で本格的に学んだおそらく唯一の日本人ピアニストでもある。対するパワーズはウーゴ・ディアスを聴いてタンゴに傾倒し度々来日して国内のタンゴシーンでも活躍、またジャズギタリスト小沼ようすけのアルバムにも参加するなどオールマイティな実力を持つ超絶技巧のハーモニカ奏者。デュオとして日本や欧米で公演を重ね満を持しての録音となった。青木編によるタンゴ、ミロンガ作品の演奏は言うまでもなく見事なもので最小編成であればこそ堪能できる細部の緻密さ・繊細さに聞き惚れてしまう。3曲収められた青木のオリジナルはモダン・フォルクローレのエッセンスをふんだんに感じさせ、師であるリリアン・サバの作品に劣らずどれも美しい。すべてのアルゼンチン音楽ファンに全力でお勧めしたい傑作だ。

(徳永伸一郎「ラティーナ」2015.5号)

“花盛りのジャカランダ”を意味する表題通り、アルゼンチン音楽を愛してやまない米ハーモニカ奏者とタンゴ楽団オルケスタ・アウロラを牽引するピアニスト青木菜穂子がデュオ共演。コンビを組んで6年を経ての初録音だそうだが抑制の利いた演奏の中にもラテン歌謡的なセンティメントが品よくのぞく。

(真保みゆき「CDジャーナル」2015.8号)

「ラティーナ」2016.1号「関係者が選ぶベストアルバム」:徳永伸一郎、谷本雅世、清川宏樹らがベスト10に選出

収録曲

  1. Viajera 旅人 (N.Aoki)
  2. Mariposita 小さな蝶々 (A.Aieta)
  3. Nocturna ノクトゥルナ (J.Plaza)
  4. Saramani サラマニ (L.Saba)
  5. Garden 雨の庭 (N.Aoki)
  6. Jacaranda en Flor 満開のハカランダ (N.Aoki)

Joe Powers & Naoko Aoki – Ten Grands Concert Seattle Benaroya Hall (live)