何でピアノを始めようと思ったのか、なぜ今も弾いているのかをあまりじっくり考える事もなく日々のやるべきことをこなす毎日が何年も続いて、ちょっと止まって考えてみようと演奏のペースをダウンした今年は、では表現することについて答えが出たかというともちろん出ないわけですが、最近よくブエノスアイレスで暮らしていた頃を思い出すのです。

あの独特の時間の流れと会話。あの頃は音楽に限らず一人でまたは皆とたくさんの舞台を見ていました(時間がある上チケットも安く)。オーケストラやバレエ・お芝居・タンゴにフラメンコ・オペラetc…。良い舞台を見れば感情が動いて涙がじわっと浮かんだり私なんて全然だめだと帰ったり、あ、でもこの進み方で良いのかなとたまに思えたり。東京での時間にそれを求めることは難しいけれど、今の齢になってこのペースはありかなと自分なりに納得がいくようになってきました。いろいろな方法論を知っておくことはとても大事、それを自分の演奏にどう反映させるか等考える日々。

今年も残り少し、丁寧に演奏に向かいたいと思います。

足元ではクロがスースー寝ている幸せ🐕

(兄のイラスト)